【Q&A解説】ここで迷いやすい!介護賃上げ支援の実務判断ポイントを厚労省Q&Aで確認

賃上げ支援制度は、基本的な仕組みを理解していても、
実務に落とし込む段階で「これってOK?」「この場合はどうなる?」と判断に迷う場面が少なくありません。
この記事では、厚労省Q&A(問13〜問20)をもとに、研修費・募集経費・計画変更・休廃止事業所の扱いなど、現場で特に迷いやすい実務ポイントを中心に解説します。
- 厚労省Q&Aで整理する、職場環境改善経費の正しい使い方
- 補助金「使える/使えない」の判断基準

それでは、詳しく解説していくね!
Q13:研修費はどこまで「職場環境改善等経費」として使える?

補助対象経費としての「研修費」は、
研修に要する費用として切り分けられるものであれば、職場環境改善等経費として対象になり得る
とされています。
ただし、
- 法令等で 実施が義務づけられている研修
- 通常業務として行っている研修
については、
職場環境改善とは性質が異なるため、本補助金を充てることはできない と整理されています。
ポイント
- 対象になるのは 職場環境改善につながる研修
- 義務研修・通常業務研修は対象外
- 「なぜこの研修が職場環境改善なのか」を説明できることが重要
Q14:介護助手等の募集にかかる費用は対象になる?

職場環境改善等経費としての「介護助手等の募集経費」には、
求人広告費や求人チラシの作成・印刷費などが含まれるとされています。
また、
人材紹介会社を利用した場合の紹介手数料についても、対象経費として扱うことが可能
と整理されています。
ただし、
募集に関するすべての費用が自動的に対象になるわけではなく、
介護助手等の確保を通じて、介護現場の負担軽減や職場環境改善につながる取組であることが前提となります。
ポイント
- 求人広告費・チラシ作成費は対象
- 人材紹介手数料も対象になり得る
- 「現場の負担軽減につながる募集か」が判断基準
Q15:研修や募集以外に、どんな費用が職場環境改善等経費になる?

職場環境改善等経費には、
介護助手等の募集経費や研修費だけでなく、
介護現場の業務負担軽減や働きやすさの向上につながる取組に要する費用が幅広く含まれ得ます。
具体的には、
業務の見える化や業務改善活動(委員会・プロジェクトチームの立上げや運営)、
役割分担の見直し、業務効率化に向けた取組など、
介護業務や周辺業務の改善を目的とした取組に必要な費用が対象となります。
ただし、
介護テクノロジー等の機器購入費用は対象外とされており、
あくまで「取組の実施に要する費用」であることが前提です。
ポイント
- 対象は 業務改善・負担軽減につながる取組
- 委員会活動・業務改善プロジェクト等も対象になり得る
- 機器購入費用は対象外
Q16:介護テクノロジー等の機器購入費用は使える?

職場環境改善等経費については、
介護テクノロジー導入・協働化等支援事業の対象経費かどうかに関わらず、
介護テクノロジー等の「機器購入費用」に本補助金を充てることはできない
と明確に示されています。
つまり、
パソコンやタブレット、見守り機器等については、
職場環境改善を目的としていても「機器そのものの購入」は対象外 となります。
ポイント
- 機器購入費用は 一律で対象外
- 他の補助金の対象かどうかは 関係なし
- 対象になるのは 取組・研修・業務改善活動等の費用
Q17:PC・タブレット等の購入費用は対象になる?

本補助金における職場環境改善等経費は、
職場環境改善のための取組そのものに要する費用を対象とするものであり、
PC端末やタブレット等の機器購入費用は対象外 とされています。
Q16で示されているとおり、
介護テクノロジー機器に限らず、
ハードウェア(機器そのもの)の購入費用は、本補助金の対象にはならない
という整理です。
ポイント
- PC・タブレット等の 購入費用は対象外
- 「業務改善に使うため」であっても対象にならない
- 対象になるのは 取組・研修・業務改善活動に要する費用
Q18:補助金の債権譲渡はできる?

本補助金は、全額を賃金改善または職場環境改善に充てることを前提とした補助金であるため、
債権譲渡は適当ではないとされています。
このため、
国保連合会に登録されている口座へ補助金を振り込む際も、
債権譲渡を行っていない介護サービス事業所等の口座に直接支払われる
という取扱いになります。
ポイント
- 本補助金は 債権譲渡不可
- ファクタリング等を前提とした受取はできない
- 事業所本人の口座への直接入金が原則
Q19:法人単位での申請はできる?

本補助金の申請は、原則として介護サービス事業所が所在する都道府県ごとに行う必要があります。
ただし、同一都道府県内に複数の介護サービス事業所を有している場合には、
法人単位でまとめて申請することが可能とされています。
一方で、
都道府県が異なる場合には、都道府県ごとに申請を分ける必要があるため、
申請様式や提出方法については、各都道府県の案内に従うことが前提となります。
ポイント
- 法人単位申請は 同一都道府県内に限って可能
- 都道府県が異なれば 申請は分ける
- 申請様式・方法は都道府県ごとに確認が必要
Q20:休止・廃止予定の事業所は補助金の対象になる?

事業計画書の提出時点で、休止または廃止することが明らかになっている介護サービス事業所等については、
本補助金の対象外とされています。
ただし、
計画書提出時点では休止・廃止の予定がなく、
その後やむを得ない事情により休止・廃止することになった場合には、
休止・廃止が明らかになった時点で、速やかに都道府県へ届け出る必要があります。
ポイント
- 計画書提出時点で休止・廃止が明らか → 対象外
- 後から休止・廃止が決まった場合 → 速やかに届出
- 継続的な事業運営が前提の補助金
まとめ|「使える経費」と「使えない経費」の線引きを正しく理解する。

Q13〜Q20では、
本補助金を 「何に使えるのか」「何には使えないのか」 という点を整理してきました。
ここで重要なのは、
本補助金が 設備投資や物品購入のための制度ではなく、
あくまで「人」と「業務の進め方」を改善するための制度 だという点です。
具体的には、
- 研修費や介護助手等の募集経費、業務改善に向けた取組など、
職場環境の改善や業務負担軽減につながる“取組そのもの”に要する費用 は対象になり得る - 一方で、
介護テクノロジー機器、PC・タブレット等の機器購入費用は対象外 - 補助金の受取りについては、
債権譲渡は不可、法人単位申請にも 都道府県ごとのルール がある - また、
事業の継続が前提であり、休止・廃止が明らかな事業所は対象外となる
つまり、
「業務をどう良くするか」「現場をどう支えるか」という視点で整理できているかどうかが、
この補助金を適切に使えるかの分かれ目になります。
安易に「使えそうだから計上する」のではなく、
制度の趣旨に沿って説明できるか を常に意識することが重要です。
次回は、
Q21以降で示されている「途中で状況が変わった場合の取扱い」や
計画どおりに進まなかった場合の考え方について解説していきます。
- 休止・廃止が後から判明した場合はどうなるのか
- 計画変更はどこまで認められるのか
- 実績報告で注意すべきポイントは何か
といった、実務で必ず直面する論点を中心に整理する予定です。
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