【Q&A解説】介護分野の賃上げ・職場環境改善支援とは?厚労省Q&Aで読み解く制度の全体像

厚生労働省より、「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」に関するQ&A(第1版) が公表されました。
本支援は、介護職員の賃金引上げと職場環境改善を目的とした国の支援制度ですが、
「そもそもどんな制度なのか」「いつ・誰が・何をすればいいのか」が分かりにくい、という声も多く聞かれます。

この記事では、厚労省Q&A(問1〜問5)をもとに、制度の目的・対象・実施時期などの全体像を、介護事業者向けにわかりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 介護分野の賃上げで支援で、提出期限・基準月・実務対応での考え方
  • 賃上げ支援で迷いやすい実務ポイント
しゃろ☆うし

それでは、詳しく解説していくね!

Q1:計画書・実績報告書の提出期限はいつ?

計画書および実績報告書の
提出受付開始時期・提出期限については、国が一律に定めるものではなく、
各都道府県が、事業スケジュールを踏まえて適切に設定する

とされています。

つまり、

  • 「全国共通の締切日」があるわけではない
  • 都道府県ごとに、受付開始日・提出期限が異なる可能性がある

という点に注意が必要になります。

Q2:賃金改善や職場環境改善は、いつまでに行う必要がありますか?

賃金改善・職場環境改善の実施期限は、補助金の支給をいつ受けたかによって異なります
令和8年3月末までに支給を受けた場合は令和7年12月〜令和8年3月末まで、令和8年4月以降に支給を受けた場合は令和7年12月〜自治体が定める実績報告期限までが対象期間となります。
国は「緊急支援」という趣旨から、可能な限り速やかな実施を求めています。

上記についても、各都道府県からの連絡を確認することをお勧めします。

Q3:対象事業所と「基準月」の考え方

原則

本事業の対象となるのは、令和7年12月に介護サービスを提供している介護サービス事業所等です。
これらの事業所における基準月は、原則として令和7年12月とされています。

例外的な取扱い①(12月の実績が実態を反映していない場合)

大規模改修や感染症の影響、月遅れ請求等により、令和7年12月の報酬が著しく低い場合には、
事業所の判断で 令和8年1月〜令和8年3月までのいずれかの月を基準月として選択することが可能です。

例外的な取扱い②(新規開設事業所)

令和8年1月〜3月に新規開設された事業所も本事業の対象となります。
原則は初回サービス提供月を基準月としますが、提供日数が著しく少ない場合などには、令和8年3月までの別の月を基準月として選択しても差し支えありません

手続き上の注意点

上記の例外的な取扱いにより基準月を選択する場合であっても、都道府県への事由の届出は不要とされています。
ただし、実際の運用は都道府県ごとに異なる場合があるため、各自治体の実施要綱の確認は必須です。

Q4:月遅れ請求・再請求による過誤調整分の扱い

月遅れ請求や再請求に伴う過誤調整分については、
どこまでを本事業に反映できるかの基準は全国一律ではありません。
事業実施スケジュール等は都道府県ごとに異なるため、
基準月や実績への反映可否は、各都道府県の実施要綱等で確認する必要があります。

Q5:計画書・実績報告書以外の資料提出は必要?

要件の審査にあたり、計画書や実績報告書とは別に、すべての根拠資料を一律に提出する必要はありません。
厚労省Q&Aでは、原則として追加資料の添付は求めないと整理されています。

ただし、
都道府県から求めがあった場合には、速やかに提出できるよう根拠資料を事業所側で保管しておく必要があります。
根拠資料の保存期間は 2年間 とされています。

具体的には、
処遇改善加算の算定状況、賃金体系・就業規則、研修実施状況、各種体制加算の届出、
ケアプランデータ連携システムへの加入状況などが、確認資料として求められる可能性があります。

まとめ
  • 追加資料の 一律提出は不要
  • ただし 求められた場合に提出できる体制は必須
  • 根拠資料は 2年間の保存が必要
  • 実務では「出さない」より 「いつでも出せる」整理が重要

まとめ:Q1〜Q5から見えてくる実務上の重要ポイント

今回の厚労省Q&A(Q1〜Q5)を通して共通して言えるのは、
「全国一律の細かいルールで縛る制度ではない」という点です。

  • 提出期限や実施スケジュールは 都道府県ごとに異なる
  • 賃金改善や職場環境改善は 早めの実施が前提
  • 基準月は原則がある一方で、実態に配慮した例外も認められている
  • 月遅れ請求や過誤調整の扱いも 自治体判断が大きい
  • 追加資料の一律提出は不要だが、根拠資料の整理・保存は必須

つまり本制度は、
「形式的に書類をそろえればよい制度」ではなく、
実態を説明できる運用ができているかが問われる制度
だと言えます。

特に、
「とりあえず例年どおり」
「あとでまとめて考えよう」
という対応をしてしまうと、後からスケジュールや説明に苦労するケースも少なくありません。

次回は、
誰が賃金改善の対象になるのか(Q6以降) を中心に、
より実務に踏み込んだポイントを整理していく予定です。

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投稿者プロフィール

谷山 雄大
谷山 雄大社会保険労務士
社会保険労務士Office ALMAは、神奈川県横須賀市を拠点とし、全国のお客様に対して、処遇改善加算サポートをはじめとする医療機関や中小企業の労務管理を専門としています。特に労務相談対応、処遇改善加算サポート、行動分析学を用いた人事評価制度構築・運用を得意とし、事業主をトータルでサポートします。課題解決に伴走するパートナーとして、実務的で現実的な提案を行います。

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