【介護人材確保・職場環境改善事業】補助金の実施期限や配分対象は?適用ルールを解説!(Q&A 問1~問4)

介護業界では慢性的な人材不足が深刻な問題となっています。高齢化が進み、介護サービスの需要が増加する中で、現場の人材不足はより深刻化しています。そのため、政府は令和6年度補正予算に基づき、「介護人材確保・職場環境改善等事業」を実施し、補助金を交付することで介護職員の処遇改善や職場環境の向上を支援することを決定しました。
本記事では、厚生労働省から2/18に発表された「介護人材確保・職場環境等改善事業に関するQ&A(第1版)」の内容を整理し、補助金の活用方法や注意点をわかりやすく解説します。
- 介護人材確保・職場環境改善事業に関する Q&A(問1~問4)の解説
- 対象範囲・実施期限を整理

一つずつ丁寧に解説していくね!
問1 交付額による人件費や職場環境改善は、いつまでに行う必要があるのか?
補助額を使って人件費の改善や職場環境の改善を行う場合、どのタイミングで実施しなければならないのか? これは介護事業所にとって非常に重要なポイントです。
回答: 補助金による改善は、基準月(令和6年12月を基本とし、令和7年1月、2月、3月のいずれかも選択可能)から各自治体の定める実績報告書の提出期限までに行う必要があります。特に、人件費の改善は、介護事業所に対する緊急支援の一環であるため、できる限り速やかに実施することが求められます。
ポイント:
- 基準月(令和6年12月〜令和7年3月)を選択可能 ※基本は令和6年12月。
- 実績報告の提出期限内に実施することが必須
- 特に人件費の改善は迅速に行うことが推奨される
これにより、補助金を活用した人材確保や職場環境の向上が円滑に進むことが期待されます。
問2 法定福利費等の事業主負担の増加分は、人件費の改善に含めてよいか?
介護事業所が職員の賃上げを行う際に発生する社会保険料などの事業主負担は、補助金の対象として認められるのか?
回答: 補助金を活用して支給する人件費の改善には、法定福利費(社会保険料など)の事業主負担の増加分も含めることが可能です。これは、事業所側の財政負担を軽減し、職員への給与支給をよりスムーズに行うための措置です。
ポイント:
- 人件費改善の補助金は、給与の一時金支給だけでなく、事業主負担の増加分にも適用可能
- 適切に計算し、事業所の財務計画と整合性を持たせることが重要
このように、補助金を活用する際には、事業主の負担を含めた賃上げ計画を立てることがポイントになります。
問3 補助金を介護職員以外の職員にも配分できるか?
補助金は介護職員の処遇改善を目的としていますが、介護職以外の職員にも支給できるのか?
回答: 基本的には、介護職員への配分が優先されます。しかし、同一事業所に雇用されている職員であれば、介護職員以外の職員にも補助金を配分することが可能です。例えば、介護現場で間接的に支援を行っている事務職員や管理職なども対象に含めることができます。
ポイント:
- 介護職員への支給が基本だが、その他の職員にも支給可能
- 事務職や管理職も含めた職員全体の待遇改善に活用できる
- 施設内で業務を担う職員が公平に恩恵を受けられるよう配分を検討することが重要
このように、補助金を活用する際には、対象職員の範囲を明確にし、公平な分配を行うことが求められます。
問4 法人本部の職員も補助金の対象になるのか?
事業所単位ではなく法人本部の職員も補助金の対象に含まれるのか?
回答: 法人本部の職員が補助金の対象となる介護サービス事業所等で業務を行っている場合に限り、補助金を適用することが可能です。逆に、介護サービスに直接関わっていない本部職員には適用されません。
ポイント:
- 介護サービス事業所で業務を行う職員であれば対象になる
- 本部職員でも、現場支援を行う場合は補助対象になる
- 純粋に管理業務のみを担当する職員は対象外
法人本部の職員を対象にする場合は、その業務内容が現場の介護業務とどのように関わっているかを明確にすることが必要になります。
まとめ

今回は、「介護人材確保・職場環境改善事業」に関するQ&Aの中から、問4までの補助金の基本的な使い方や対象範囲について詳しく解説しました。
補助金の活用にあたって、いつまでに実施すべきか・誰が対象になるのか・どのような費用に充てられるのか など、具体的なポイントを整理できたと思います。
次回の記事では、問5以降の補助金のより実務的な活用方法や、具体的な申請の流れ、注意点 について詳しく掘り下げていきます。
介護事業所がスムーズに申請し、効果的に補助金を活用できるよう、より実践的な情報をお届けしますので、引き続きチェックしてください!
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- 社会保険労務士
- 社会保険労務士Office ALMAは、神奈川県横須賀市を拠点とし、処遇改善加算サポートをはじめとする医療機関や中小企業の労務管理を専門としています。特に労務相談対応、処遇改善加算サポート、行動分析学を用いた人事評価制度構築・運用を得意とし、事業主をトータルでサポートします。課題解決に伴走するパートナーとして、実務的で現実的な提案を行います。
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