2025年度(令和7年度) 介護職員等処遇改善加算 何が変わるのか?

はじめに|2025年度の処遇改善加算の重要ポイント

2024年度(令和6年度)より、介護職員の処遇改善加算が一本化され、2025年度からは新たな要件が本格的に適用されます。これにより、訪問介護事業所はさらなる対応が求められることになります。本記事では、2024年度との違いや必須の対応策を解説します。

2025年度からの主な変更点

  • キャリアパス要件の強化:満たすべき項目が増加。
  • 月額賃金要件の厳格化:月額賃金要件が区分Ⅳで得られる報酬の1/2以上を月額賃金として支給。
  • 区分Ⅴの廃止:最低でも区分Ⅳの要件を満たさないと加算の算定不可。
  • 職場環境要件の拡充:取り組むべき改善項目が増える。

変更点の詳細と対応策

① 月額賃金要件の強化

  • 区分Ⅳで得られる加算収入の1/2以上を月額賃金として支給する必要があります。
  • 例えば、加算Ⅳで取得した報酬が30万円の場合、最低15万円は月額賃金として支給しなければなりません。

対応策

  • 給与規程の見直し。
  • 加算額を基にした賃金改善計画の策定。

② 区分Ⅴの廃止と区分Ⅳ以上への移行

  • 2024年度までは区分Ⅴ(14)を取得している事業所もありましたが、2025年度からは最低でも区分Ⅳの要件を満たさなければ加算が受けられません

対応策

  • キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱの両方を満たす。
  • 職場環境要件の増加項目に対応。

(参考)キャリアパス要件

  • Ⅰ. 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
  • Ⅱ. 資質向上のための計画を策定して研修の 実施又は研修の機会を確保すること
  • Ⅲ. 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること
  • Ⅳ. 経験・技能のある職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること
  • Ⅴ. サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等を配置していること

③ 職場環境要件の変更

  • 2024年度までは「全体で1つ以上」取り組んでいればよかった
  • 2025年度以降は各区分ごとに1つ以上(生産性向上は2つ以上)必須に

対応策

  • 働きやすい環境づくり(ICT導入、業務効率化施策)
  • 従業員満足度向上のための施策(休暇制度の充実、福利厚生の強化)

まとめ

2025年度から、訪問介護事業所に求められる対応は以下の通りです。

  • キャリアパス要件の項目増加(職位・賃金体系、研修、昇給制度の整備)
  • 月額賃金要件の厳格化(月額賃金要件が区分Ⅳで得られる報酬の1/2以上を月額賃金として支給。)
  • 区分Ⅴの廃止による区分Ⅳ以上への移行
  • 職場環境要件の拡充(生産性向上や働きやすさ向上の施策)

早めの準備が事業継続のカギとなります。今のうちに、自社の制度や対応策を見直し、必要な改善を進めていきましょう!

次回以降の記事では、上記の要件について詳しく解説をしていきます。

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投稿者プロフィール

谷山 雄大
谷山 雄大社会保険労務士
社会保険労務士Office ALMAは、神奈川県横須賀市を拠点とし、処遇改善加算サポートをはじめとする医療機関や中小企業の労務管理を専門としています。特に労務相談対応、処遇改善加算サポート、行動分析学を用いた人事評価制度構築・運用を得意とし、事業主をトータルでサポートします。課題解決に伴走するパートナーとして、実務的で現実的な提案を行います。

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