第8回 人事制度の運用を成功させるためのプロセス

はじめに

「人事制度を導入したけど、うまく機能していない…」
「評価制度や賃金制度を作ったのに、形だけになっている…」

こんな悩みを持っている企業は多いのではないでしょうか?

人事制度は「作ること」よりも、「運用すること」が最も重要です。
どんなに素晴らしい制度を作っても、運用がうまくいかなければ形骸化してしまいます。

今回は、人事制度をスムーズに運用し、継続的に改善するためのプロセスについて解説します!
「運用のコツ」や「成功するポイント」も具体的に紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!


人事制度が機能しない原因とは?

まず、人事制度が形骸化してしまう原因を整理してみましょう。
よくある課題として、以下の3つが挙げられます。

①  制度を導入しただけで終わっている

「評価制度を作ったけど、実際に運用されていない…」
「制度の存在は知っているけど、社員が理解していない…」

評価や賃金制度は「作って終わり」ではなく、しっかり運用する仕組みが必要です。

②  上司が評価を適当にしてしまう

「評価基準が曖昧で、結局好き嫌いで決められている…」
「期末ギリギリにまとめて評価している…」

評価が適当になってしまうと、社員の不満につながり、組織の信頼が低下してしまいます。

③  期初の目標設定と期末評価だけになっている

「期中のマネジメントが全く行われていない…」
「評価のタイミングだけ話し合って、普段の業務では放置状態…」

評価制度は、「評価をすること」が目的ではなく、社員の成長を促進するための仕組みです。
そのためには、継続的にフィードバックを行い、社員の成長をサポートする仕組みが必要です。


人事制度を成功させるための運用プロセス

では、どのようにすれば人事制度を成功させることができるのでしょうか?
**ポイントは、「30:50:20の法則」**です。

✅ 30% → 期初の目標設定
✅ 50% → 期中のマネジメント(フィードバック・承認・指導・調整)
✅ 20% → 期末の評価(期中のまとめ)

この割合で運用することで、人事制度が継続的に機能し、社員の成長を促すことができます。

①  期初の目標設定(30%)

最初に、社員が「何を目指すべきか?」を明確にすることが重要です。

ポイント具体的なアクション
目標を数値化する売上目標、業務改善率など、具体的な数値で設定
役割に応じた目標を設定する新人・リーダー・マネージャーごとに適切な目標を決める
本人の意見を取り入れる上司が一方的に決めず、社員と話し合って決定

目標が曖昧だと、社員は何を頑張ればいいのか分かりません。
「目指すべき方向性」を明確にすることが、成功する人事制度の第一歩です!


②  期中のマネジメント(50%)

期中のマネジメントは、最も重要なプロセスです。

✅ 「目標設定したけど、その後何も話し合われない」 → NG!
✅ 「定期的にフォローし、成長をサポートする」 → OK!

具体的な運用方法

  • 月1回の1on1ミーティングを実施
  • 評価シートとは別の「サポートシート」を活用し、進捗をチェック
  • 困っていること・課題を明確にし、解決策を一緒に考える

例えば、「A4一枚評価制度」における「サポートシート」を活用すれば、簡単に進捗を確認でき、適切なフィードバックができます。


③  期末の評価・フィードバック(20%)

期末の評価は、「成果を正しく評価し、次の成長につなげる」ことが目的です。

ポイント具体的なアクション
客観的な評価を行う「成果」「スキル」「姿勢」のバランスを考慮
評価の理由をしっかり伝える「なぜこの評価になったのか?」を明確に説明
次の成長につながるアドバイスをする具体的な改善策や目標を提示

評価結果を伝える際は、**「一方的に伝える」のではなく、「対話しながら成長をサポートする」**ことが重要です。


成功するための3つのポイント

① 人事制度を「使いこなせる仕組み」を作る

  • 社員が理解しやすいシンプルなルールを設定する
  • A4一枚評価制度など、運用しやすいツールを活用する

② 期中のフォローを強化する

  • 「評価のための制度」ではなく、「成長を促す制度」にする
  • 1on1ミーティングを活用し、定期的に振り返りを行う

③ 「評価=フィードバック」の意識を持つ

  • 期末評価だけで終わらせず、社員の成長を支援する場として活用する
  • 良い点と改善点を明確に伝え、次につながるアドバイスを行う

まとめ

  • 人事制度は「作ること」よりも「運用すること」が重要!
  • 「30:50:20の法則」を活用し、期中のフォローを強化する
  • 評価を「社員の成長につなげる仕組み」として運用することが成功の鍵!

人事制度の運用にお悩みの企業様へ

「せっかく制度を作ったのに、うまく活用できていない…」
「運用が負担になり、形骸化してしまっている…」

こうしたお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ当事務所にご相談ください!

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貴社に合わせた最適な運用方法をサポートします!

次回は「評価結果を賃金・賞与に反映させる方法」について解説します!

投稿者プロフィール

谷山 雄大
谷山 雄大社会保険労務士
社会保険労務士Office ALMAは、神奈川県横須賀市を拠点とし、処遇改善加算サポートをはじめとする医療機関や中小企業の労務管理を専門としています。特に労務相談対応、処遇改善加算サポート、行動分析学を用いた人事評価制度構築・運用を得意とし、事業主をトータルでサポートします。課題解決に伴走するパートナーとして、実務的で現実的な提案を行います。

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